1次 計算技能検定 問題6,7
問題は以下のリンクから確認できます。
※今回のシリーズは2021年9月13日に確認したもので、記載される問題が変更されている可能性があります。
2次は記述式で模範解答が公開されているため、ここに記す予定はありません。今回でこのシリーズは一区切りとなります。
【問題6】
次の行列の行列式を求めなさい。
【解答例】
【問題7】
空間における領域に対して
次の3重積分を求めなさい。
【解答例】
順番に積分。0を代入する方が項が少なく計算できるのでから
【コメント】
行列を書くためにいつもと記法を変えています。(出力は大差ないはず)
微分のdはローマン(立体)だろと思う方もいるかもしれませんが問題文にあわせてイタリック(斜体)にしました。
1次 計算技能検定 問題5
問題は以下のリンクから確認できます。
※今回のシリーズは2021年9月13日に確認したもので、記載される問題が変更されている可能性があります。
【問題5】
0以上の整数値をとる確率変数が下の確率分布に従うとき、次の問いに答えなさい。ただしは二項係数を表します。
①の期待値を求めなさい。
②の分散を求めなさい。
【解答例】
(多項式)×(等比)の形なので9/10倍でずらすことを考えていく。
とおく。
引き算して
よってに注意して
次に分散の計算を(二乗の平均)-(平均の二乗)を用いて行う。先の問題同様にして二乗の平均は計算する。
とおく。
引き算すると
よっての展開のうちの項は前問と比較しての定数倍、の項は確率和1の定数倍になることがわかるので
また、であるから
【コメント】
tex記法で書くので大変。
1次 計算技能検定 問題4
問題は以下のリンクから確認できます。
※今回のシリーズは2021年9月13日に確認したもので、記載される問題が変更されている可能性があります。
【問題4】
関数について、次の問いに答えなさい。ただし、は自然対数の底を表します。
①の第5次導関数のにおける値を求めなさい。
②の第10次導関数のにおける値を求めなさい。
【解答例】
なにか法則性があるんだろうと思いながらごりごり微分し続けると
ということで①は
ここら辺で法則に気付けということのようですが
より
【想定解?:法則性】
とおくと漸化式は次のとおり
これを順にとくと
【コメント】
一般の式を求めるより法則に気付いて漸化式にしたがって順に足し算した方が速そう
1次 計算技能検定 問題2,3
問題は以下のリンクから確認できます。
※今回のシリーズは2021年9月13日に確認したもので、記載される問題が変更されている可能性があります。
【問題2】
次の値を求めなさい。ただし、(省略)
【解答例】
【問題3】
空間における2平面が交わってできる直線をとします。を含み、点(1,-1,-2)を通る平面の方程式を求めなさい。
【解答例】
の式をまず求める。2平面の式を連立して解く。
を消去すると
を消去すると
求める平面の式をとおくと
任意ので成立より係数比較して
これらと点(1,-1,-2)を通る条件とを連立して
よって平面の方程式は
1次 計算技能検定 問題1
気分で数学検定1級の問題を解いてみたので解答を記します。
試験時間60分で7問あり、7割程度での合格とのことですので1問平均約8分で5/7以上が目安でしょうか。ミスが怖いですね。
問題は以下のリンクから確認できます。
※今回のシリーズは2021年9月13日に確認したもので、記載される問題が変更されている可能性があります。
では本題に入りましょう。
【問題1】 4次方程式
の4個の解のうち、2個の解について積を求めたところ80となりました。このとき、の値を求めなさい。
【解答例】
明らかに解と係数の関係が使えるので解をとおくと
とすると
これを用いての1次の式は
これととの1次連立方程式を解いて
以上よりは和が18積が80よりの解
は和が-19積が84よりの解
よって
係数比較より
【コメント】
解きはじめたときはなどとして文字を減らす計算をしていましたが、「和が分かればいいや」と途中で気づきました。問題文を見ただけで(2次式)×(2次式)分解のフィニッシュが見えていれば速いでしょう。
1 Attempt at relativistic quantum mechanics
PROBLEMS
1.1 Dirac行列(本文の)の次元は偶数であることを示せ.
ヒントがあるのでそれを利用した流れで示す. まずトレースが0であることを示す.
両辺に左からをかけて(作用させて)からトレースを取ると
一方でトレースの性質より
同様にしても示される.
また固有値を考えると2乗が単位行列であることから固有値は+1,-1
よってトレースが固有値の和になっているので
+1と-1を好きな回数(次元)足して0になるのは同じ回数ずつで次元は偶数となる.
1.2 波動関数が式(1.30)に従うとき, 式(1.33)の状態が式(1.1)に従うことを示せ.
ただしboson, fermion両方の場合を考えなさい.(概要であり, 細かい設定は本文参照)
大変なので今回は書きません. 交換関係から作戦を立てて・・・
1.3 を示せ.
数演算子Nの定義から
よって今回ののように消滅生成演算子が同じ数ある場合、同じ回数だけ+1と-1を足すので0となる. (実際にやってみるとよい)
感想
全問題はきついので各章のいくつかだけ書くことにしよう. もちろんどの問題も意図があるはずだけれどもここに書くことに想像以上の時間を要した. そもそも次はあるのだろうか
2021京都大学理系数学大問3無限級数和
【問題】
無限級数の和を求めよ.
シンプルで試行錯誤もしやすいが, この年の問題のセットの中では難しい.
今回は高校数学の域を少し出るが高校生が書いてもおかしくない解き方を紹介する.
【解答】
複素数を定める.
ド・モアブルの定理より任意の整数に対して
したがって
無限級数和を考えて実部がとなる.
さて,
よって, 実部だけを見て求める級数和は
【裏側の数学】
大学数学の範囲でオイラーの公式というものがある.
左辺の「複素数乗」が高校数学では定義されていない. この式の整数乗(あるいは)がド・モアブルの定理と対応する.
これを知っていればcosのn倍角がn乗と対応して「ただの等比数列和」に見えるというからくりである.
「(知ってる関数)×cos(もしくはsin)」の和や積分において複素数で考えてから実部や虚部だけ見ることは有用で, 大学数学で多用する.
この発想の根幹である「複素数列」についての学習は高校では行わないため, この答案は高校数学の範囲を超えていると言える. ただし複素平面での点列や実部虚部それぞれを実数列として捉えるという抜け穴があり, 大学入試での出題はそこそこある.
【コメント】(2021.9.13編集)
ド・モアブルの定理は加法定理と帰納法により示される. 今回の問題の高校数学だけの解答は各予備校や出版社のものを見ると,かなり大変のため方針だけ示して部分点をもらい,計算は後回しにするのが賢い.
画像はwikipediaより